流星ひとつ
藤圭子の引退コンサートが開催された1979年12月。このインタビューはその秋に行われている。 筆者は数年前の偶然の出会いの後、引退を知り、藤圭子のインタビューに臨み、この作品をまとめた。あまりに藤圭子の内側に入り込んだこともあり、出版を中止。彼女の自死と、宇多田ヒカルのコメントを機に、作品発表となる。 会話形式で全編は表現されており、手法として成功。...
View Article真実―新聞が警察に跪いた日
高田昌幸:1986年北海道新聞社入社。本社報道部次長、東京支社国際部編集委員、ロンドン支局長などをへて、2011年6月末に同社を退社。2004年、取材班代表として、北海道警察裏金問題を追及する一連の報道で新聞協会賞、日本ジャーナリズム会議(JCJ)対象、菊池寛賞を受賞。 64を読了後だったからか、ぐっと来た。
View Article八月の六日間
はじめて読んだ北村薫。引き込まれた。 山に登るのは、忘れ物を取りにいったり、生活に区切りをつけにいくためなんだなぁ。確かに、山を歩きながら、いろんな事を考えるからね。 しばらく北村薫の本を読んでみましょう。
View Article山女日記
7つのオムニバス形式。最後にきれいにつながる。 「目的地は過去このなかにあるのかもしれない」 「くだらない、くだらない。残骸なんかぬぎすてろ」 「人は大なり小なり荷物を背負っている。ただ、その荷物は傍らから見れば降ろしてしまえばいいと思うものも、その人にとって大切なものだったりする。むしろかけがえのないものだからこそ、降ろすことができない。だから、模索する。それを背負ったまま生きていく方法を」
View Article憲法の「空語」を充たすために
講演を起こしたブックレット。易しく読めるが、指摘は深い。 日本は法治国家だったが、立法府が機能不全に陥り、「民主制から独裁制に移行しつつある」。これはワイマール共和国の末期やフランス第三共和政の末期と同じ。...
View Article教場
文春ミステリー2013年間1位、このミステリーがすごい2014年2位ということで、図書館で借りて読み終えた。小説は借りて読む、再読したい本を買い直すパターンになってしまった。 貸し出し申し仕込みから到着まで6ヶ月。人気の本なんなんだなぁ。短編形式で読みやすく、アイディアはとてもおもしろい。...
View Articleこの人たちについての14万字ちょっと
重松清のインタビューもしくはルポルタージュ集。相手は伊集院静、池澤夏樹、浦沢直樹、鈴木成一、是枝裕和、いとうせいこう、山田太一、赤川次郎、酒井順子。人選は「次作が待ち望まれている」が基準だという。筆者と同世代の渡しには納得できる人選。 本書に登場した、映画や書籍を読んでみよう、読み直してみようと思えた。...
View Article逆襲弁護士 河合弘之
「平和相互銀行事件」「イトマンVs慶屋事件」「つぼ八事件」「国際興業事件」「秀和VS忠実屋・いねがや事件」「ダイエー福岡ドーム事件」… 河合弘之弁護士はバブル期の経済事件の弁護を多く手がけ、その多くを勝利してきた。バブル期の事件の深層と、凄腕弁護士のキレ味は読み物としておもしろい。...
View Article辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
『三省堂国語辞典』の編者見坊豪紀(ひでとし)と『新明解国語辞典』の山田忠雄。二人は東大の同期生で、はじめは共同で一冊の辞書を作っていた。しかしそれぞれの理想を追求して、別の道を歩み始め、その経過と背景にある出版社(三省堂)や金田一春彦の関係まで書き込まれた作品。ノンフィクションかフィクションかは別としても力作であることは間違いがない。良友も両雄も並び立たないか、本当に出版社の思惑で別の道を歩むことに...
View Articleスノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実
佐藤優氏の推薦言葉より。①NSA(米国家安全保障局)は事実上、全世界のインターネットや携帯電話利用者の情報を盗み取るシステムを持っている②国家間の醜いエゴ。米国が信頼しているのは英国だけ③リスクを負って活動する記者魂と国家権力の暴力性④スノーデン氏の思想力の強さ。...
View Article全電源喪失の記憶――証言・福島第1原発――1000日の真実
共同通信社が平成26年3月から全78回にわたり全国契約紙31紙に配信した長期連載「全電源喪失の記憶 証言・福島第1原発」の加筆修正版。100人近くの対象を1年以上かけて取材しており、当時の息づかいなども感じ取れる。...
View Article切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか
1946年5月、従業員数約20名でスタートしたソニー。「技術者がその技能を最大限に発揮することのできる“自由闊達にして愉快なる理想工場”を建設し、技術を通じて日本の文化に貢献すること」が創業の志だった。...
View Article捏造の科学者 STAP細胞事件
臨場感のあるルポルタージュとして読んだ。 筆者は毎日新聞科学環境部所属。2014年1月にSTAP細胞記者会見、7月論文撤回、8月笹井芳樹氏自死、12月に出版。46回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。...
View Article若者離れ 電通が考える未来のためのコミュニケーション術
電通が考える未来のためのコミュニケーション術。 カギのひとつは、大人と若者の関係性を、対立構造ではなく協力構造にアップデートすること。そしてそのためにはまず、「フラットに向き合うことの価値」を根気よく信じる事という。 ①“誰かが”ではなく“私が”で向き合う ②“集団”ではなく“個”に向き合う ③“上から”ではなく“尊重” ④“Whyなき命令”ではなく“Why”の共有...
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